高台からの観天望気

仙台の気象予報士yaviのブログ。天気の話しを中心にお伝えします。

気象予報士試験 受験テクニック

気象予報士試験 勉強法4 [回答ミスをなくす]

特に学科では1点が合否を分けることもあります。ミスは極力なくさなくてはなりません。

私の経験に基づくミス対策を書いてみることとします。
以下は、第42回試験での教訓です。

1.見直しでミスを救済
・ミスは思いもよらぬところでおかしてしまいます。ミスを1点でも救済するために、学科試験では見直しのための時間を残しておきましょう。

◇問題は最後まで読み、内容を正確に把握するべし。
・当たり前のことですが、焦っていると問題を途中まで読んだ時点で早合点してしまい、回答ミスをおかします。
学科一般の、ウィーンの法則に関する問いで、
◆ウィーンの変位則によれば、単位波長あたりの放射エネルギー強度が最大になる波長λmax.は放射体の絶対温度Tに反比例し、
         λmax.=2898(K・um)/T(K)
となる。太陽エネルギーが最大になる波長は約0.5umであり、地球放射エネルギーが最大になる波長はその約40倍に該当する。

下線の部分の正誤を答えよ、と問に書いているのに、λmax.=0.5um というところに目が行ってしまい、◯と回答してしまいました。問われているのは、地球放射エネルギーが最大になる波長なので、10um ⇒ 20倍で答えは当然 ☓ です。これは、見直しで気づいて救済できたのですが、こんな簡単な問題でミスしてはもったいないですね。

2.ひっかけ問題は常識で考える
◇たまに、ひっかけ問題が出されます。なんかそれらしいような答えがあり、ひっかかりそうになるけれど、よーく考えるとそんなばかな! ってことに気づきます。
例1)学科専門;レーダーの誤差についての問題
「レーダーから発射された電波の伝搬経路上に山岳がある場合、電波は反射して伝搬方向が変わるため、山岳の向こう側の本来レーダーから見えない部分に降水エコーが観測されることがある。」

一見、ありそう。しかし、もし反射で降水が観測されるとすると、山の反射で雨雲に当たり戻ったエコーが再び山に当たりレーダーに戻る。そんなことは、光で言えば鏡なみに反射率が高く、散乱しない物体がなくてはありえません。よく考えると、☓ だということがわかると思います。巧妙な引掛けです。

例2)学科専門;前線に関する問題
「図のように寒冷前線が「く」の字に折れ曲がってことがあるが、これは寒冷前線が山越えする時に、その移動する速さが平地より遅くなることが原因となっている場合があり、山地の標高が高く規模が大きいほど、遅くなる傾向がある。」

なんとなくありそうな気がしますが、よく考えてください。もしこんなことがあると、富士山では必ずキンクが発生し、海ではキンクは発生しない。ということになりますね。でも、そんなことはなく、海でもキンクは発生しているのはご存知と思います。図では富士山あたりにキンクがあり、騙されてしまいそうになります。

このような問題では、早合点せず、あり得ることなのか冷静に考えることが必要です。


気象予報士試験 勉強法3 [実技:天気図に慣れる]

局地的な天気は、様々な気象要素が関わって決まるので、まずは天気図から状況を把握します。

気象予報士試験の実技で出てくる天気図は、ほぼ決まっており、気象庁から提供される膨大な数の天気図のほんの一部です。少なくとも、下記天気図は試験の時に戸惑わないように見慣れておく必要があります。

ASAS, AUPQ35, AUPQ78, AXFE578, FXFE502, FXFE5782, FXJP854

私はPCのブラウザの初期画面に上記天気図と衛星画像を設定しておいて、ブラウザを立ち上げると一斉に表示されるようにして毎朝その日の状況を見ていました。これで、試験問題に出てくる天気図にはかなり慣れ、それぞれの天気図ではどこに着目すれば良いのか自然とわかるようになりました。

また、この理解に役立つのが前出の「短期予報解説資料」です。着目点が簡単に書いてあるので、とても参考になります。

もう一つ利用したのが、BSフジのテレビ番組で毎朝5:00からやっている「BSフジ×ウェザーニュース」です。このなかで、その日の気象について、ウェザーニュースの気象予報士さんが天気図や数値予報データを示しながら解説してくれます。これは非常に分かりやすく理解に役立ちました。


気象予報士試験 勉強法2 [実技:ことばに慣れる]

気象予報士試験実技の回答に求められる言い回しは独特なものがあります。
せっかく、答えが分かってもそれをどう表現したらいいのか分からないことも最初は多いかと思います。

例えば、
・トラフに先行して温度場の谷がある
・渦状の雲域が東進し
・ジェット気流の上流に

など、普通の生活ではまったく使わないことばなのに、試験の回答ではこのようなことばを使いこなして表現しなけばなりません。このような言葉に慣れるため、次のことを行いました。

1.難しい言葉リスト を作る
・過去問で出てきた難しい表現を次の様な種類に分類して、リストにまとめ、覚える様にしました。
 例) 高さの表現、位置、方向、変化、大小表現、時制、理系言葉( "検出される" とか)

2.短期予報解説資料の活用
・気象庁予報部より毎日2回発表されている短期予報解説資料は非常に良い勉強のための資料です。独特な表現がいろいろ使われているので、毎日読むことで、予報に対しての知識もつくし、独特な表現に慣れ親しみ、自然と使える様になるので、お勧めです。
気象庁のHPなどから見ることができます。





気象予報士試験 勉強法1 [実技:計算問題の対応]

計算問題が苦手な方もいると思います。

しかし、過去の問題を分析すると、それほど多くの式を覚える必要はなく、学科一般に出てきた式と、単位の変換、移動速度の計算、気温減率の計算などができればほぼ解けます。

私は仕事柄、毎日難しい式を眺めているのですが、実際には愛用の関数電卓、Excelを使って計算します。ところが、気象予報士試験は電卓持ち込み不可なので、複雑な計算を手計算でやらなくてはなりません。

例えば、熊谷の地表面での空気密度を求めろ。(第39回実技1)という問題では、
 1010×100/(280×287)
今回(第43回実技1)のうねりの移動距離の計算では、
 3.6×9.8×10/(4×3.1)×12
など、ちょっと慣れていないと手計算では大変です

1.計算を早く確実にこなすために
この歳だと、時間のプレッシャーの中で、3桁の掛け算、割り算は少々きついです。今回の試験で、ことごとく計算ミスをしたので、次の本を買って勉強をし始めたところでした。

計算力を強くする 完全ドリル : 先を読む力を磨くために (ブルーバックス)

ここでは、次の様なテクニックを紹介してます。
(偶数)×(5の倍数) ⇒ {(偶数)÷2}×{(5の倍数)×2}
例えば、25ノットで進む擾乱は24時間で何海里移動するか? という計算は、
24✕25=12✕50=600 と簡単に計算できます。

他にもいろいろなテクニックを紹介しているので、少しでも計算の作業を簡単に確実にするため参考にされてはいかがでしょうか。他にも、似たような本はいっぱい出版されています。

2.どこまで有効数字が必要か?
・少しでも計算を簡単にするために、計算の桁数は少ない方がいいわけです。求められる精度が、10刻みで答えよなど、指定されているので、必要のない桁まで計算すると時間のロス、間違いの元になります。

ノットをm/sec.に変換するには、**ノットに0.514を掛けるということが教科書に書かれていると思います。本当に1000分の1の桁まで計算する必要があるかというと、全くなく、×0.51で十分な精度しか解答では求められていません。

(ノット)×0.51 は、次の様に分解できます。 (ノット)÷2+(ノット)の1% 

例えば、55ノットは、 55÷2+55×0.01 ⇒ 27.5+0.55=28.05 m/sとなります。
55×0.514の答え28.27と比較しても、十分な精度。そして暗算で計算できます。

3.変化量として考える
第43回実技1の問5では、ある条件の時の潮位偏差の150cmが、風速が26m/sとなったらいくつになるか?という問いでした。(ある条件;気圧963hPa、風速20m/s)
潮位偏差Hは、①吸い上げ効果によるもの、②吹き寄せ効果によるもの、があり教科書にも次の経験式で計算できると書いてあります。
 H=a(p0-p)+bV^2cosθ
 但し、a,bは定数、p0は周辺気圧、pはその場所の気圧、Vは風速、θは風と海岸線の法線の角度
この式の第1項が①、第2項が②に相当します。

しかし、この式を覚えている方も少なかったと思いますが、②はVの2乗に比例すると覚えていれば、それだけで解答を導き出せます。
つまり、風速が26/20=1.3倍になったので、②は1.3^2倍になることから、初期条件での②の値に1.7倍することで②の効果の成分が分かります。これに、①の効果分を足せば、潮位偏差となるわけです。
実に、シンプルにこの問題は解くことができます。




気象予報士試験 勉強法0 [計画]

一応合格できたので、私の勉強法も悪くはなかったと思います。
そこで、その一部を紹介します。

目標は、勉強開始の9ヶ月後の42回試験で学科に合格。実技は恥ずかしくない点をとる。そして、43回あるいは44回で実技合格。

実際に行った勉強は以下の通り。

1.まずは「一般気象学」を読む (2ヶ月半)
・太陽から1天文単位離れた軌道を地球は自公転しながら回り、太陽から受けるエネルギーが地球規模の物理現象を起こし、総観規模、メソスケールの現象が局地気象に繋がっていく。そんな壮大な気象の話がこの本には凝縮されてます。目次を見ただけでワクワクします。気象は様々な物理現象が作用して引き起こされるわけなので、第一歩はその基礎を学びましょう。
・十分理解するために、2ヶ月半かけて読みました。理解した内容はノート㋐に整理。読み返すわけではありませんが、自分が理解したというエビデンスです。
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ノート㋐

2.専門は「気象予報士簡単合格テキスト」を読む(1ヶ月)
・1.同様読み進めてノート㋑にまとめる。同時に、記憶が必要な事項は、記憶をすべき事項を別ノート㋒にまとめる。
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ノート㋒

3.問題集、過去問を解き理解が不十分な点を明確にする(2ヶ月)
・過去問のスコアを付け、間違った問題をピックアップし、徹底的に理解するためAnki(便利ツール参照)を利用し、いつでもどこでも復習できるように。

4.実技は基礎を学ぶ(2ヶ月)
・実技に関しては、基本事項を教科書(気象予報士徹底解説演習問題)より勉強し、トンチンカンな答えを書かない程度に実力をつける。

5.総まとめと苦手克服(1ヶ月)
・3.で作成した問題を徹底的にこなし、過去問を完璧に。

以上、9ヶ月準備して42回試験に望み学科合格しました。
次は実技の勉強に専念。でも、試験まで5ヶ月しかない。どう効率を上げるかが課題。

6.教科書(気象予報士徹底解説演習問題)を復習(1ヶ月)
・これも、ノート㋓にまとめながら復習。

7.ひたすら過去問(4ヶ月)
・第30回から第42回までの6年間の過去問をひたすら解く。
・3週目までくらいすると70点程度取れるようになるので、そしたら解けなかった問題をノート㋔に整理。
・徹底的に㋔を理解するよう再勉強

8.オリジナル問題集「100問耐久」
・過去問から答えが難しかった問題をピックアップ(100問)をピックアップし、解答の言い回しを覚える。4回くらいやることで実力が上がる。


以上、概略の勉強法について書きましたが、詳細については少しずつ書いて行きます。
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