March 2015
写真は、オーストラリアのパースでインド洋に沈む夕日からの薄明光線を撮影したものです。厚い雲により太陽の光が遮られ、雲間から漏れた光の散乱光が見えています。
日差しを遮る厚い雲と、光を適度に散乱する量の水蒸気があることが見えるための条件です。
写真では、比較的近いところから遠くの方まで無数の薄明光線が見えます。実際に見た時はその壮大さに感動しました。
次の写真は、会社の帰りに車の中から撮影したものですが、先ほどとは発生要因が少々異なります。

飛行機雲が二本、並んで見えます。なかなか消えないので上層雲が出来やすい状況になってます。
下の写真は、2014.9.23 17時ごろの仙台の空ですが、上層雲がたくさんある状況で、飛行機雲が長い時間のっこっており、いく筋もあるのが見えます。ちょうどこの辺りは航空路になっているため、多くの飛行機が行き来しています。FightRadar24を見ながらあの飛行機は東洋の国へゆくのだなぁ~ なんて想像するのも楽し。

さて、もう一枚。これは、2014.10.4 仙台の空です。上層雲の中を飛行機が横切った後の様子です。飛行機の通過によって気流の渦ができ、上昇流と下降流とが繰り返され、雲があるところとないところが交互に存在するのがわかると思います。面白いですね。

実技の過去問を3周ぐらい解くと、70点以上取れるようになってくると思います。でも、3回やった過去問が7割の出来では、本番で合格レベルの点を取るのは難しいでしょう。そこで、あと10点得点を上げるため、やったことを書きます。
まず、できなかった問題を分析する。すると、だいたい下記の様になりました。
1.問と答えが全く結びつかない。
⇒要は理解が足りないので、もっと勉強が必要ということですが。
2.答えは大体想像つくが、それをどう文章で表現したら良いか分からない。
⇒表現の仕方や着目点が重要。例えば、第40回実技2の問5(3)では、雷ナウキャストを用いて活動状況とその後の変化を答える問題で、図を見たとおりに答えればいいのですが、それをどう表現したら良いのか理系にはよくわかりませんでした。この様な、形状や移動状況を答えるのが苦手でした。
また、フェーンについての問では、学科の知識で原理は分かっているものの、それをどう答えて良いのか、これも断熱昇温など、独特な言葉を使って答えるので戸惑います。
3.単純ミス
・計算違い、問題をよく読まないで早合点、図の読み違い
3.については、勉強法4で書きました。1,2についての対策として私がやったことは、オリジナル問題集「100問耐久」を作り、何度も繰り返しました。
「100問耐久」は、第30回から第42回までの問題の中から、繰り返し間違った苦手な問題を集め100問、Wordにまとめたものです。
問題をPCに表示させ、頭の中で回答を作り、1問ごとに即座に採点する。そして、採点結果はExcelにてスコアを付け、◯⇒1点、△⇒0.5点とし、合計が何点か。苦手問題を集めているので、最初は50点ぐらいしか取れないのですが、だんだん回答の言葉のパターンを覚え、どこに着目すれば良いのかも分かり、90点以上取れるようになります。
私は、最後の1週間これを3回やりました。1セット3時間弱かかりますが、苦手の克服には非常に効果的で、おそらくこれで10点は上積みできたと思ってます。今回の試験の、沿岸波浪の問についても、答えがスーッと思い浮かび、短時間で回答出来ました。
回答時間が足りない! という方も多いと思いますが、このような訓練は、必要な回答を短時間に引き出すということにも効果的です。
最後に、サンプル画像を少し。

この問題集を一気に作るのは大変なので、過去問をやるときに、一緒に作っていくことをお勧めします。
まず、できなかった問題を分析する。すると、だいたい下記の様になりました。
1.問と答えが全く結びつかない。
⇒要は理解が足りないので、もっと勉強が必要ということですが。
2.答えは大体想像つくが、それをどう文章で表現したら良いか分からない。
⇒表現の仕方や着目点が重要。例えば、第40回実技2の問5(3)では、雷ナウキャストを用いて活動状況とその後の変化を答える問題で、図を見たとおりに答えればいいのですが、それをどう表現したら良いのか理系にはよくわかりませんでした。この様な、形状や移動状況を答えるのが苦手でした。
また、フェーンについての問では、学科の知識で原理は分かっているものの、それをどう答えて良いのか、これも断熱昇温など、独特な言葉を使って答えるので戸惑います。
3.単純ミス
・計算違い、問題をよく読まないで早合点、図の読み違い
3.については、勉強法4で書きました。1,2についての対策として私がやったことは、オリジナル問題集「100問耐久」を作り、何度も繰り返しました。
「100問耐久」は、第30回から第42回までの問題の中から、繰り返し間違った苦手な問題を集め100問、Wordにまとめたものです。
問題をPCに表示させ、頭の中で回答を作り、1問ごとに即座に採点する。そして、採点結果はExcelにてスコアを付け、◯⇒1点、△⇒0.5点とし、合計が何点か。苦手問題を集めているので、最初は50点ぐらいしか取れないのですが、だんだん回答の言葉のパターンを覚え、どこに着目すれば良いのかも分かり、90点以上取れるようになります。
私は、最後の1週間これを3回やりました。1セット3時間弱かかりますが、苦手の克服には非常に効果的で、おそらくこれで10点は上積みできたと思ってます。今回の試験の、沿岸波浪の問についても、答えがスーッと思い浮かび、短時間で回答出来ました。
回答時間が足りない! という方も多いと思いますが、このような訓練は、必要な回答を短時間に引き出すということにも効果的です。
最後に、サンプル画像を少し。

この問題集を一気に作るのは大変なので、過去問をやるときに、一緒に作っていくことをお勧めします。
ライダーとレーザーガイド星の共通点は、
地上から光を上空に向け発射し、戻って来る光に含まれる情報を利用し計測を行うことです。
2つの技術を簡単に紹介します。
❏ライダー(Light Detection and Ranging)
・レーダーは気象観測など広範に利用されていますが、電波の代わりに光をプローブパルスとして用いた観測機器がライダーです。気象分野では、エアロゾルの観測や高層風の状況を観測することができます。ドップラー・レーダーやウインドプロファイラーでは、降水粒子からの反射や大気の揺らぎによる散乱を利用するので、降水の有無や空気の湿り具合で観測距離が制限されますが、ライダーでは赤外光によるエアロゾルからの散乱光を検出するため、降水がない時でも観測が可能で、空港などに設置し、マイクロバーストを検知することなどへの応用が考えられてます。もちろん、風速・風向を検出しなくてはいけないので、ドップラーの機能が必要になります。光のドップラーシフトを検出するためには、コヒーレント検波(光ヘテロダイン検波)を行うので、局発光の周波数シフト手法、光源自体のスペクトルの狭線幅化、などの技術が必須で、さらに測定距離を稼ぐため光源の出力を大きくとらなくてはなりません。そのための、多段のファイバー増幅器や、エルビウムやイッテルビウムなどの希土類を含ませたガラスの増幅器が開発されています。その平均出力パワーは、数百Wから数kWにおよび、パルスエネルギーとしてはmJからJオーダーに達するとんでもなく強力なものです。
ファイバー増幅器を使うことで小型・低消費電力化が可能となり、航空機への搭載や、衛星への搭載も視野に開発がすすめられています。衛星に搭載することで、グローバルな上層風の状況を把握できるようになります。
話が難しくなってきたので、この辺にしておきますが、もっと詳しく知りたい方は、NICTやJAXAのHPに解説がありますので、参照してみて下さい。

写真は成田空港に設置されたLidar 気象庁のHPより
❏レーザーガイド星
・レーザーガイドスターの話を少ししたいと思います。
ニュートンやガリレオ、ケプラーにより発明された望遠鏡は、暗く遠い星を見ようという探求心から巨大化がすすめられてきました。分解能は望遠鏡の口径により決まるので分解能を高くするためには、口径を大きくする必要があるためです。しかし、口径を大きくすればするほど分解能が上がるかというと、そうではなく、地球大気による星像の揺らぎ(シンチレーション)があるため限界があります。ハワイやチリの標高の高い山に天文台が建設されているのは、少しでもこの影響を少なくするためです。
しかし、それでも大気の揺らぎが完全になくなるわけではありません。そこで使われているのが最新のAO(Adaptive Optics; 補償光学) 技術。大気の揺らぎにより、望遠鏡に到達する星からの波面が乱れるのをアクティブに補償するのがAOの原理です。具体的には、位相の面的なズレを検出し、液晶や鏡などを利用した位相制御素子で補償します。その時位相検出の光源として使うのが、ガイド星なのですが、視野内にガイド星として使える明るい星があれば良いのですが、ない場合には人工的に星を作ってガイド星として使うのです。これがレーザーガイド星。どうやって作るかというと、詳しくは論文等にゆずりますが、簡略には次の様です。地上80km~90km付近にあるナトリウム層に地上から589nm(D線)の波長のオレンジ色のレーザーを照射します。これによりナトリウム原子を励起し発光させ、人工の星とするのです。連続光(CW)ですが、25W位の強力な光源が必要です。この波長帯の光は直接発光させる手法がないので、赤外から非線形光学結晶を使って、和周波発生あるいは第2高調波発生によって波長変換をして発生させます。なお且つ、スペクトル線幅がpm(=10^-12)のオーダーでないと、効率よくNa原子を発光させることができないので、非常に難しい技術です。
詳しくは、国立天文台のHP、レーザーメーカーのTOPTICAのHPを参考にしてください。

写真は、チリにあるヨーロッパ南天天文台のVLTから出射されるレーザー光です。
NASAのHP, Astronomy Picture of the Day より。
地上から光を上空に向け発射し、戻って来る光に含まれる情報を利用し計測を行うことです。
2つの技術を簡単に紹介します。
❏ライダー(Light Detection and Ranging)
・レーダーは気象観測など広範に利用されていますが、電波の代わりに光をプローブパルスとして用いた観測機器がライダーです。気象分野では、エアロゾルの観測や高層風の状況を観測することができます。ドップラー・レーダーやウインドプロファイラーでは、降水粒子からの反射や大気の揺らぎによる散乱を利用するので、降水の有無や空気の湿り具合で観測距離が制限されますが、ライダーでは赤外光によるエアロゾルからの散乱光を検出するため、降水がない時でも観測が可能で、空港などに設置し、マイクロバーストを検知することなどへの応用が考えられてます。もちろん、風速・風向を検出しなくてはいけないので、ドップラーの機能が必要になります。光のドップラーシフトを検出するためには、コヒーレント検波(光ヘテロダイン検波)を行うので、局発光の周波数シフト手法、光源自体のスペクトルの狭線幅化、などの技術が必須で、さらに測定距離を稼ぐため光源の出力を大きくとらなくてはなりません。そのための、多段のファイバー増幅器や、エルビウムやイッテルビウムなどの希土類を含ませたガラスの増幅器が開発されています。その平均出力パワーは、数百Wから数kWにおよび、パルスエネルギーとしてはmJからJオーダーに達するとんでもなく強力なものです。
ファイバー増幅器を使うことで小型・低消費電力化が可能となり、航空機への搭載や、衛星への搭載も視野に開発がすすめられています。衛星に搭載することで、グローバルな上層風の状況を把握できるようになります。
話が難しくなってきたので、この辺にしておきますが、もっと詳しく知りたい方は、NICTやJAXAのHPに解説がありますので、参照してみて下さい。

写真は成田空港に設置されたLidar 気象庁のHPより
❏レーザーガイド星
・レーザーガイドスターの話を少ししたいと思います。
ニュートンやガリレオ、ケプラーにより発明された望遠鏡は、暗く遠い星を見ようという探求心から巨大化がすすめられてきました。分解能は望遠鏡の口径により決まるので分解能を高くするためには、口径を大きくする必要があるためです。しかし、口径を大きくすればするほど分解能が上がるかというと、そうではなく、地球大気による星像の揺らぎ(シンチレーション)があるため限界があります。ハワイやチリの標高の高い山に天文台が建設されているのは、少しでもこの影響を少なくするためです。
しかし、それでも大気の揺らぎが完全になくなるわけではありません。そこで使われているのが最新のAO(Adaptive Optics; 補償光学) 技術。大気の揺らぎにより、望遠鏡に到達する星からの波面が乱れるのをアクティブに補償するのがAOの原理です。具体的には、位相の面的なズレを検出し、液晶や鏡などを利用した位相制御素子で補償します。その時位相検出の光源として使うのが、ガイド星なのですが、視野内にガイド星として使える明るい星があれば良いのですが、ない場合には人工的に星を作ってガイド星として使うのです。これがレーザーガイド星。どうやって作るかというと、詳しくは論文等にゆずりますが、簡略には次の様です。地上80km~90km付近にあるナトリウム層に地上から589nm(D線)の波長のオレンジ色のレーザーを照射します。これによりナトリウム原子を励起し発光させ、人工の星とするのです。連続光(CW)ですが、25W位の強力な光源が必要です。この波長帯の光は直接発光させる手法がないので、赤外から非線形光学結晶を使って、和周波発生あるいは第2高調波発生によって波長変換をして発生させます。なお且つ、スペクトル線幅がpm(=10^-12)のオーダーでないと、効率よくNa原子を発光させることができないので、非常に難しい技術です。
詳しくは、国立天文台のHP、レーザーメーカーのTOPTICAのHPを参考にしてください。

写真は、チリにあるヨーロッパ南天天文台のVLTから出射されるレーザー光です。
NASAのHP, Astronomy Picture of the Day より。
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